12月8日の道新で「食の不公正」知識深めて という記事に、
「農林水産省によると大切な栄養源になる穀物の自給率は、日本は28%、35%のサウジアラビアより低い、一方、日本は毎年2000万トン以上の食べ残しを捨てており、世界最多です。」という文面がありました。テレビでは賞味期限が切れる前にお店から撤去されるお弁当などの食材を集めてNPO団体が食堂を経営している番組を見ました。おかしな話です。
賞味期限についてはいろいろお話したいことがあります。
たとえば、古代米や古代小麦が発芽したという話はどこか記憶にあります。環境が良ければ、種は生きていて水分など発芽の条件がそろえば息を吹き返すのです。アントゥルメでは北海道産の豆類を販売しております。これらは、お水に戻してあげれば芽が出てくるものです。しかし、小袋にしたため賞味期限が打たれています。その為、お店では販売できなくなるので廃棄しなければならないのです。
それでは小麦粉はどうなのでしょうか?
年に1回しか収穫できない小麦粉(北海道産強力粉)の場合、この秋に収穫になりましたが、アントゥルメでは製造後6か月の賞味期限です。夏まで持たないので製粉会社が原麦で保存し、使用時期に合わせて製粉することになります。
製粉された小麦は生きているわけではありません。そして、ご存知のようにクラフト袋(紙袋)で水分や空気が自由に行き来できるかなりオープンな形態で販売されています。普通の食品のように厳重に包装されているわけではありません。
それでは、その紙袋にはどのような表示がなされているのでしょうか?
ご存知ですか?
正解は、製粉した日ではなく、袋詰めした日(製造日)です。この二つはほとんど一緒の場合が多いと思いますが、正確には袋詰めした日(製造日)といったほうが良いでしょう。
それでは、賞味期限はどうなっているのでしょう?
結論は、「賞味期限は書いてない」ということです。
砂糖や塩などの調味料、チューインガム、アイスクリーム類・氷など、特に長期保存が可能なものには賞味期限を省略することができるのです。小麦粉もこれに当てはまるようです。
でも、私どものように家庭用の小袋の小麦粉を販売している場合は違います。
賞味期限を表示しなければなりません。
ここからは私どものお店の賞味期限の設定方法をご連絡いたします。
会社によって賞味期限の設定が違う可能性がありますので、それぞれのお店にお問い合わせください。強力粉で8か月表示しているお店もあります。
アントゥルメの場合は
製粉メーカーが製造した大袋の製造日に「製粉協会の指針(資料参照)」を踏まえ、北海道産小麦粉は中力粉に入る場合が多いのですが強力粉と同じ基準で賞味期限を設定しております。
薄力粉 12か月
中力粉・強力粉 6か月です。
お買い上げいただいた大袋についてもこの基準で製造日のそばに賞味期限を設定しております。参考にしてください。
下記資料の製粉協会の試験では、かなり長い期間でも食味・食感の品質劣化は無かったようです。賞味期限も大切ですが、風通しの良い冷暗所で保存すれば長く日持ちするものです。大切な食材なので、カビ、異臭、虫など、常にいつもの状態を理解して変化を判断できるように注意することも大切です。
そして、何かおかしいなと感じましたらすぐにご連絡をください。アントゥルメでは美味しい小麦粉生活を応援いたします。
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